戦後80年とMEDAR School(メダルスクール)
MEDARの田中康暉です。
いつもは理事の川地が記事を書いているので、久しぶりに私が投稿します。
MEDAR Schoolをスタートしてからそろそろ2年が経ちます。
本当に楽しく、最高な生徒さんたちに恵まれており、私たちの生きがいになっているスクールです。
最近の生徒さんは、何をしているかというと、
- 紙飛行機の風洞実験と飛行距離の研究(小学6年生)
- 天体望遠鏡の作成(小学3年生)
- めっちゃ回るコマを3Dプリンターで開発(小学4年生)
- Unityでゲーム開発、C言語の勉強(小学6年生)
- ガンダムを作るためのCAD練習(小学3年生)
- 自律飛行ドローンと火星探査計画提案(高校生チーム)
- 化学実験の自動化装置の開発(高校2年生) などなど
「人間が思いつくものは全て創れそうという自信を持とう」というコンセプトのもと、素敵な生徒さんがアイデアや憧れを持って入塾してくれています。
対して僕は最近何をしているかというと、会社の実務はだいたい川地に任せて、ラストスパートに差し掛かっている修士論文、そして博士の研究計画づくりに取り組んでおり、お盆は実家に帰らず都内で過ごしています。
今日は戦後80年目になる節目の日です。
こんな記事がLINE NEWSにあって、思うことがあるのです。
「主人公がつくった戦闘機が人々を殺した」と…映画『風立ちぬ』が呼んだ“賛否”のゆくえ(文春オンライン) https://u.lin.ee/0W3BGsQ?mediadetail=1&utm_source=line&utm_medium=share&utm_campaign=none
おそらく、うちの生徒の子たちが順調に成長すれば、世界中の軍需に応えることができる能力をもった人材になります。
中には零戦が好きで飛行機を作りたいという生徒さんもいらっしゃいます。
生徒の子たちはみんな意欲的で、独創的で、これから近い将来、理工系人材としてしっかり育っていくように思います。
私の周りの友達にも、重工業で戦闘機や飛翔体などの開発に加わる者が一定数います。宇宙スタートアップも、民生用と防衛用で用途を使い分けるデュアルユースを前提にビジネスプランを立てている所も多いようで、そこへインターンに行っている友達もいます。
私自身も、通ってきた領域(ロボティクス、航空宇宙システム、極超音速空気力学など)は全てそういうものに繋がります。
さてさて、これからの40年近くを現役世代として駆ける私たちは、これからの時代をどのように生きるのでしょうか。
私は45歳になった時に、2045年は戦後100年、という言葉を聞くことはできるでしょうか。
うーむ、、、笑笑笑、と感じざるを得ません。正直。
2045年では、10歳の生徒の子が30歳になっており、現役バリバリで戦闘機や軍事ドローンなどの開発に関われる年齢です。
もちろん、その才能や能力があっても、それを行使するかどうかはその子次第。それはそう。
ただ判断をするための価値観は、一体いつどこで育まれるものなのでしょうか。はたして教育として整備されているのでしょうか。
風立ちぬみたいな映画を見た時?広島に修学旅行に行った時?東大の友達と防衛テックスタートアップについて議論している時?
少なくとも、公教育と関わっている私が感じることは、ボーっとしているといつの間にか戦争に関わっている、なんてことが起きちゃう、それがMEDAR Schoolの生徒さんたちです。大げさだけど。
私たちと関わった子たちが、将来どんな選択をしても良いと思います。そこに口出しはしません。
ただ、せめて、その選択をするための価値観や感情の働きを、このスクールで備えてほしいと思うのです。
そういった願いを込めて、1年半前から哲学対話の時間「哲学の居場所」を月に1回だけ設けています。
「あなたが神様だったら人間をどのように作るか」
「これ以上便利になりたいか」
「なぜ人を殴っちゃいけないか」
「頭がいいとはどういうことか」
誰もが感じたことがある問いを1時間だけ対話するものです。
短絡的、近視眼的にモノを考える、感情が劣化した大人が目立つ世の中だけど、
私たちと関わる子たちには、モノを創り出す人材、学問の荒野を拓いていく人材として、うちのスクールで価値観や感情の素地を備えてほしい。
きっと将来、重要な選択をすると思うから。
この記事にも書いてある通り、どんな偉い人でも「一生懸命生きているつもりが時代に流されている」ことは避けられないのだと感じます。だって、一人の人間だし。私もそうです。
でも、関わった人たちが後悔しているのを見たくはありません。
MEDAR Schoolはただの収益事業を超えて、特別な思い入れのあるスクールになっています。
やはり教育そのものに、何か魅力的なモノがあるのだと思います。
そして、社会をデザインする力があるのは、政治家でも、公務員でも、企業経営者でも、大学教員でもなく、普段子どもと関わっている大人たちだと確信しています。間違いない。
はー、長いこと書きました。
みんな頑張ろうね。