広島県立福山誠之館高校の探究サポートについて

令和7年度9月より、広島県立福山誠之館高等学校2年生の探究学習のサポートを実施しました。

福山誠之館高校では「1人1テーマ」の探究学習に取り組んでいますが、現場の先生方だけでは対応しきれない、より専門的・高度な探究について、大学生メンターによるサポートが行われました。

サポートは、大学生メンターと高校生をZOOMでつなぐ「オンラインセッション」形式で実施し、生徒一人ひとりのテーマに応じて、専門分野を学ぶ大学生が伴走しました。


活動していた生徒さんの探究例をご紹介します 。

AIを用いた動画解析によるハンマー投げ動作の定量評価

ハンマー投げ選手である室伏広治選手のフォームと自身のフォーム動画を、機械学習(大量のデータからパターンや規則性を学習し、予測や判断を行う技術)によって分析。
両者の違いを可視化し、その結果をもとに、より効果的な練習方法を部活動に活かす探究を行いました。
情報処理分野を専門とする大学生メンターが、機械学習の基礎やプログラミングについて助言しました。
この探究成果は、全国情報教育コンテストに提出予定とのことです

3D設計ソフトを活用した分かりやすい校内マップの制作

既存の校内マップは方角や位置関係が分かりにくいという課題に着目。
3D設計ソフトを用いて、オープンスクールや来校者など、初めて学校を訪れる人でも直感的に理解できる校内マップの制作に取り組みました。
3D設計ソフトの操作方法や、設計の視点について大学生メンターが助言しました。

中国と日本の道徳教育の違いに関する探究

自身とゆかりのある中国と、日本の道徳教育にはどのような違いがあるのかを探究。
社会科教員を目指す大学生メンターが伴走し、中国で使用されている道徳教育の教科書を取り寄せ、日本の教科書と比較しながら研究を深めました。

その結果、

  • 日本:個人の内面を育てる「考える道徳」
  • 中国:国家・社会の価値を共有する「教える道徳」

という大きな違いが見えてきました。
どちらが優れているかではなく、それぞれの社会が求める市民像に応じて教育の形がつくられている、という本質的な視点にたどり着いた探究でした。

大学生メンターと関わることで、生徒たちは次のステップにつながる具体的な助言を得ながら、探究を円滑に進めることができました。
また、実際にその分野を学んでいる大学生だからこそ、より専門性の高い助言が可能となり、探究の質をさらに高めることができました。

福山誠之館高校の先生方からは、
「オンラインセッションの回数を重ねるたびに研究が深まり、研究に取り組む意欲が増していった生徒たちを見て、本当に良かったと感じています」というコメントがありました。

生徒一人ひとりの「なぜ?」に、少し先を歩く大学生が伴走する。
この探究の経験が、生徒の皆さんにとって、将来のキャリアや進路を考える確かな一歩になることを願っています。