

高校生シンクタンクとは
高校の必修科目である『総合的な探究の時間』を活用し、 企業や地域が抱える課題、新規事業のアイデア創出などに高校生が1年間かけて挑戦する教育プログラムです。
高校生の柔軟な発想力や新しい視点を活かし、企業や地域社会に向けてこれまでにない提案を行います。
プログラムには、大学生メンターが1年間伴走し、探究活動の進行やリサーチ、企画立案をサポートします。
成人年齢が18歳に引き下げられ、これから社会へ羽ばたく高校生、そして次世代を支える大学生メンターと共に、企業の課題解決や新規事業のヒントを見つけ出すことができます。
高校生の探究心やチャレンジが地域の新たな価値となり、学校そのものが「地域の知と人材を育む拠点」となることを目指しています。
また、本プログラムを通して、企業の皆さまは高校生との対話を通じて若い世代の考え方や価値観に触れることができ、自社の新しい可能性や成長戦略のヒントを得る機会にもなります。

高校生シンクタンク 法人様向け資料
高校生と社会を繋ぐ
企業が「テーマ提供」で得られる
3つの価値
新しい発想で
“社内にない視点”が得られる
高校生は、固定概念にとらわれない柔軟な発想で課題に向き合います。
世代や経験の異なる若者のアイデアは、既存事業の見直しや新しいサービス開発のきっかけになります。
「高校生だからこそ見える視点」が、企業にとって新たな発想源となります。
社会貢献と地域連携
の実践につながる
高校生へのテーマ提供は、社会の生きた課題を伝える教育支援であり、次世代育成の一環でもあります。
企業が地域の教育活動に関わることで、社会的信用の向上や地域とのつながり強化にもつながります。
CSRやSDGsの取り組みとしても高い価値があります。
若い世代と出会い
自社の未来像を描ける
高校生・大学生メンターと関わることで、今の若者が何を考え、どんな価値観で社会を見ているかを知ることができます。
それは、採用活動や新規事業開発における“未来の顧客・人材理解”に直結します。
次世代との対話から、自社の未来像を再構築するきっかけが生まれます。
2025年度 高校生シンクタンク
パートナー企業・提供テーマのご紹介
株式会社富士清空分析センター
専務取締役 奥田将旭様

No.1 マイコンで化学実験をDX化!~人口減少時代の人間と機械の関わり方~
岐阜市で環境計量証明・作業環境測定などを手がける株式会社富士晴空分析センター様より、高校生シンクタンクへテーマをご提供いただきました。
現在、あらゆる業界で働き方改革が求められる中、化学実験の現場もまた変革の時を迎えています。
例えば蒸留などを含む実験作業では属人的な工程が多く、柔軟な働き方の導入や業務の効率化が難しいという課題があります。
これは、現場の負担軽減や労働時間の見直しを進めるうえで、大きな障壁となっています。そこで注目されているのが、マイコン(マイクロコンピュータ)を活用した化学実験機器のDX(デジタルトランスフォーメーション)化です。
こうした技術を活用することで、従来の手作業の一部を自動化し、実験の効率化や安全性の向上を目指すことができます。
現場の実情に即したリアルな課題解決に、高校生ならではの柔軟な発想と創造力で挑みます。今回、この現場のリアルな課題を出発点に、高校生たちが自らの視点で「人と機械の新しい関係」を探究していきます。
なお、本テーマには東京都の翔和学園の生徒の皆さんが取り組む予定です。
社会の課題に向き合い、未来の現場をどう変えていくか——。
その答えを一緒に考えていきましょう!
株式会社富士清空分析センター
専務取締役 奥田将旭様

No2. クリエイターになって「# 労働衛生」をバズらせよう!
岐阜市で環境計量証明・作業環境測定などを手がける株式会社富士晴空分析センター様より、高校生シンクタンクへテーマをご提供いただきました。
現在、日本の労働災害による死亡事故の件数は減少傾向にあります。しかし一方で、4日以上の休業を伴う労働災害は、平成23年頃から増加傾向にあります。
その背景には、
- 外国人労働者の増加
- 労働人口の高齢化
- 転職が当たり前となったことで、ベテラン人材が減少し、経験の浅い人材が増えた
ことなど、働き方の多様化と人材構成の変化が影響しています。
また、粉じんの吸引による肺疾患や、有機溶剤による慢性的な健康障害など、職場環境によって長期的に引き起こされる「職業病」も深刻な問題です。
これらはすぐに症状が現れないため、対策の重要性が見過ごされがちです。
こうした課題に対し、富士晴空分析センター様では「作業環境測定」を通じて、労働者が安全かつ快適に働ける環境づくり=「労働衛生」の推進に取り組まれています。
「労働衛生」とは、単なる災害予防にとどまらず、すべての働く人が健康で安心して働ける職場を整備するための総合的な取り組みです。
しかし、現実には
- 「すぐに命に関わるわけではない」という認識から、労働者・事業者双方の意識が低い
- 労働衛生の改善が「コスト」とみなされ、特に中小企業では後回しにされがち
といった課題もあります。
そこで今回は、高校生ならではの発想力と情報発信力を活かし、労働衛生の重要性を社会に広めていくという新しいチャレンジとしてこのテーマをご提供いただきました。
「労働衛生をバズらせよう!」というテーマのもと、高校生たちが社会に「労働衛生とは何か?」を問い直し、意識変革につながるコンテンツや企画を自ら企画・発信することで、現場の課題をより身近なものとして捉え、未来の働き方に新たな風を吹き込みます。
本テーマには、岐阜県立岐阜工業高等学校 化学技術工学科の3年生の生徒の皆さんが取り組む予定です。
社会課題に向き合い、創造的な発信を通して、未来を変える第一歩を一緒に踏み出していきましょう!
株式会社GOCCO.
取締役 森誠之様

No3. 導電性インクを使って新しい『楽しさ』の可能性を提案する
「楽しさぞくぞく開発中」をスローガンに、岐阜県大垣市でアプリ、WEB、プロダクト開発、ハードウェア開発を行う株式会社GOCCO.様より、高校生シンクタンクへテーマをご提供いただきました。
GOCCO.様の事業の1つに電気を流す不思議なインク「導電性インク」の研究・開発があります。
このインクは、カルチャーマガジン「Switch」(2013年8月号)に掲載された、ポカリの広告ページよりレコード型のカード(紙)を切り取ってiPadの液晶画面に載せると、様々な音楽を呼び出すことができる不思議なデバイスに組み込まれたことで、世の中に大きく知れ渡りました。(参考サイトはこちらから)
この導電性インクの技術を使い、新しい『楽しさ』を高校生視点で生み出せないかとい思いで、テーマをご提供いただきました。
現在、スマホやタブレットでデータを読み込むのはQRコードが主流となっています。
しかし、GOCCO.さんの導電性インクを使ったレコード型カードは、画面にレコード盤を模した紙を載せる、そしてレコード盤に応じて音楽が流れるといギミックにQRコードとは違う『楽しさ』があります。
こうした日常の何気ない『楽しさ』を高校生だからこそ感じる視点・観点から見つけてほしいというものです。
実際にGOCCO.様から高校生に導電性インクのサンプルをご提供いただき、新しい使い道・楽しさのためにプロダクトを制作していきます。
本テーマには、岐阜県立岐阜北高等学校の生徒の皆さんが取り組む予定です。
高校生ならではの視点や、高校生の日常にある「これ楽しいじゃん!」を上手くプロダクトに組み込み、導電性インクの新しい可能性を提案しましょう!
岐阜電力株式会社
代表取締役 下田平真樹様

No4. 岐阜県の魅力づくり、貴方ならどんな企画をする?
「自然エネルギーの積極採用」・「電気の地産地消」・「電力料金削減による地域経済の活性化」を目標に岐阜県で電力の需給事業を行う、岐阜市の岐阜電力株式会社様より、高校生シンクタンクへテーマをご提供をいただきました。
岐阜電力様は電力供給を通じて、電気の「地産地消」を推進し、岐阜県の活性化に貢献しています。電力販売自由化前は、一般電気事業者(中部電力)からしか電気を購入することができませんでしたが、自由化後は自由に電気を販売・購入することが出来るようになりました。
岐阜電力様は電気の地産地消に積極的に取り組み、エネルギーの流出金額をエリア内にとどめることで岐阜県の活性化に繋げています。
そしてこの度、「もっと岐阜に貢献したい」「今の若者が、進学等で県外に出ても帰ってきたい岐阜にしたい」という思いの下、高校生の視点から岐阜県の魅力づくりを考えるならどんなことを企画するのか。
そんな問いをいただき、高校生に岐阜の未来の魅力づくり考えてほしいというものです。
そして「良い案には予算をつけて本気で実現します」という熱い思いも頂戴しました。
岐阜で生きる今の高校生はどんな魅力づくりを企画するのか。高校生シンクタンクを通してその未来の岐阜を考えていきます。
本テーマには、岐阜県立岐阜北高等学校の生徒の皆さんが取り組む予定です。
高校生たちのが考える「岐阜の魅力づくり」で未来の岐阜を活気あるものにしていきましょう!
一般社団法人MEDAR
理事 川地皐平様

No5. 岐阜県の宇宙政策を提言しよう!
JAXAとの共同研究を行った学生プロジェクトから発足した一般社団法人MEDAR。現在は、岐阜市でモノづくり・研究のオンラインスクールMEDAR School の運営、学校教育向けに探究・課題研究のサポート、理工系に関する出張イベント講座、JAXAの共同研究を引き継いだ「大気圏再突入の研究」や、高校生シンクタンクの運営を行っています。
岐阜県は「航空宇宙産業の街」を掲げ、各務原市にある空宙博の開設や、県内の高校生・高専生を対象とした「宇宙工学講座」を開講し、宇宙に関する基礎知識や技術を学ぶ機会を提供しています。
しかしながら、実際にはロケットや航空機の完成品を開発・製造する企業が集積しているわけではありません。
多くの地元企業は、そうした機体に使われる「部品の一部」を製造しているのが現状です。
ではなぜ、岐阜にはロケットや宇宙機器の開発・製造を一貫して担うような企業や、宇宙開発におけるバリューチェーン全体をリードするような拠点が生まれなかったのでしょうか。そして、今後そうした企業や産業構造をどうすれば育てていけるのでしょうか。
「航空宇宙産業の街」岐阜には、どのような政策をすることで、もっと航空宇宙産業を盛り上げることができるのでしょうか。
また、宇宙に関連した新しいビジネスやサービスが生まれるのでしょうか。
岐阜 ✕ 宇宙にフォーカスし、岐阜県の宇宙政策を高校生のアイデアで取り組んもらいます。
本テーマには、岐阜県立岐阜北高等学校の生徒の皆さんが取り組む予定です。
航空宇宙産業の街をより盛り上げ、新たなサービスや雇用を生み出す政策を、考えていきましょう!
2025年度 高校生シンクタンク実施校
岐阜県立岐阜北高等学校
岐阜県立岐阜北高等学校は、創立80周年を機にスクール・ポリシーの策定に着手し、「荒野をひらく探究人」を育成方針に掲げた岐阜県屈指の進学校です。
教員と生徒が共に語り合う「がやがや会議」や、選択科目の充実、服装選択制の導入など、生徒主体の学校づくりを実践。
探究と対話を軸に、変化の時代を生きる力を育てています。

岐阜県立岐阜工業高等学校 化学技術工学科
岐阜県立岐阜工業高等学校は、100年を超える歴史を持つ県内有数の工業系高校です。機械・電気・建築・デザイン・化学技術など多様な専門学科を有し、ものづくりや工業技術の基礎から応用までを実践的に学べます。
資格取得や技能検定、インターンシップ、地域や企業との連携にも積極的で、卒業後の進学・就職の選択肢も豊富です。
実社会で即戦力となる技術者の育成を目指しています。

NPO法人 翔和学園
NPO法人翔和学園は、東京都に拠点を置く教育機関で、発達特性や多様な学びのニーズを持つ若者を対象に、個別最適な学びを提供しています。
特に、突出した才能や高い知的好奇心を持つ「ギフテッド」と呼ばれる若者の支援にも注力し、彼らの特性に寄り添ったPBL学習、探究型学習や社会との接点を重視した実践教育を展開。
自分らしく学び、生きる力を育む学びの環境づくりを目指しています。

その他
年間実施スケジュール
高校生シンクタンクは、高等学校で授業として実施されている「総合的な探究の時間」を主な活動時間として実施します。(総合的な探究の時間:不確実性の高い将来を生きる現在の子供たちのために2022年度から必履修化になった授業科目。生徒全員、自身の興味関心のある事に対して、1年間かけて探究や研究を実施します。)
そのため4月から3月までの単年度プロジェクトです。(テーマの引継ぎ等により例外あり)
また、高校生シンクタンクのテーマを実施する学生は、そのテーマについて探究したいと希望を出した生徒のみとなります。
1月 | パートナー企業・テーマ募集 |
2月 | パートナー企業・テーマ募集 |
3月 | パートナー企業・テーマ募集 |
4月 | 新年度開始 / パートナー企業・テーマ確定 / 探究ギルドボード(パートナー企業からの探究テーマ集)の作成・各学校へ共有 / 「総合的な探究の時間」授業開き / 生徒テーマ検討 |
5月 | 生徒テーマ決定 |
6月 | 高校生シンクタンクキックオフミーティング(可能な限り高校にて対面実施をお願いします)/ 契約開始 |
7月 | 生徒探究活動 / 生徒中間発表 |
8月 | 夏休み探究特別活動 |
9月 | 探究活動 |
10月 | 探究活動 |
11月 | 探究活動 |
12月 | 探究活動 / 成果まとめ / レポート・パワポ作成 |
1月 | 探究成果発表会 |
2月 | 高校生シンクタンク実施生徒対象 企業向け成果発表会 |
3月 | 契約終了 |
高校生シンクタンク サポート体制
MEDARの大学生メンターが月に数回、高校生たちとオンラインでセッションを行い、プロジェクトが円滑に進むように伴走支援を行います。
また、チャットツールを使い、高校生が活動に行き詰まったら相談できる体制の構築も行います。企業様には、2ヶ月に1度、高校生の活動報告書を提出し、現在の状況や内容をお伝えします。
FAQ:よくある質問
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いつ頃までにテーマ提供すればよいでしょうか?
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毎年5月頃から高校生たちは自身でテーマを決めていきます。その頃までにテーマを高校生シンクタンク実施校へ提供したいと思います。
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企業はテーマ提供するだけですか?
-
高校生が企業テーマを選択し、実施が決定したら、6月頃に高校生と提供企業様とのキックオフミーティングを実施します。また必要に応じて、中間報告会や最終報告会などを行います。
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提供テーマに取り組むことができるのは1グループだけですか?
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提供テーマに興味を持ってくれた全グループの高校生が参加します。

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次世代が育つ学校を起点に負けない企業、
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